劇作家相馬杜宇のOfficialBLOG

32歳、脳出血発症中!劇作家の相馬杜宇がホッピー、コンテンツSEO、病院の不可解さについて語るブログです。

【特別連載】リハビリ病院の思い出を振り返ります!《①》

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退院を祝して、これまでの、これからの経験を振り返ります!

 

朗報です。
まず結論を言います。

 

 

 

 

お陰さまで退院できることになりました!!!

 

 

 

5月26日、面談が開催され、主治医が「そろそろ退院の時期ですよねぇ…」とのらりくらり言われ、珍しく真面目に、
相馬「先生、私たち患者は退院日が決まらないと不安で仕方ないんです。せめて張り合いのために、退院日を決めていただけないでしょうか?」

と懇願し、「それも分からないでもない」という態度で
主治医「じゃあ6月30日にしときましょうか?」

 

 

テキトー・・・

 

 

と心から思いましたが、呆気なく退院できることになりました。
外泊を繰り返しながら、6月末に退院します。
正直、「6月末かよ」と思いましたが、気持ちが全然違います。退院日が決まったら、スッと気持ちが楽になりました。


2月10日の入院以来、結構事件が沢山ありました。今となっては笑い話ですが、結構深刻に思い詰めたこともあります。
そこでリハビリ病院を何度かに渡って振り返ることで、リハビリ病院を振り返りたい。明日への生きる活力にしたいと思います。
なるべくユーモアを交えて紹介したいと思いますので、どうぞ温かく見守っていただけますと幸いです。


2月10日 出発

朝になりました。いよいよ入院先である、七沢病院に移る日です。
「とりあえず富士そばを食べて…」と呑気な想像してましたが、そうはいきません。
早くも母がやってきて着替えを始めます。
今考えると笑ってしまいますが、大久保病院ではリハビリパンツでした(今はごく普通のトランクス)。
着替えを終えると、「そろそろ朝マックで一息ついて…」と思っていたところに介護タクシー到着ohバッドタイミング!

宮崎駿ソックリでした。
挨拶をソコソコに、いかめしい専用車椅子で移動します。
顔なじみの看護師さんが「じゃあね~」「頑張ってきてね~」とお出迎えです。
約2ヶ月ぶりの屋外はガブリと寒かったです。
もう冬なんだ…。
専用シートベルトでいかめしい車椅子にな吊り上げられます。つまり車椅子固定です。駿が「お母さんも一緒に」と言われたので、隣です。なんか恥ずかしい…。「ちょっとガスト寄りますか(寄っちゃう?」と投げ掛ける風でもなく、事務的に出発です。ソーシャルワーカーさんが見送ってくれました。
何せいかめしいので目立ちます。
密かにお馴染みの景色を期待してましたが、座高が高すぎて見えない!
新宿西口で地理が疎すぎて見えない!
サラリーマンが淡々と通勤してました。思えば2月10日(木)。ド平日です。ジェネレーションギャップに打ちのめされました。
宮崎駿介護タクシー「私は古川の出身なんですよ」
へぇそうなんだと思いつつ、古川はどこにあるんだろう?とぼんやり考えました。バレーが有名なとこ?
Facebookに入院の報告を書いてると、怒濤の勢いで返信があり、
「リハビリ大変だろうけど~」
「リハビリは想像以上に大変だろうけ~」
「リハビリは想像を絶する辛さがあると思いますが~」


どんだけ大変なんだ?と思いました。

ヤフーの七沢病院の口コミ欄では、悪い書き込みは全く見当たらないものの、どんどん不安になります。
「オラァ!立てよ、テメエ!足上げろ!!」
…いやいや、お年寄りも多いわけだし…。
鍛え抜かれた筋肉隆々の人がいたらどうしよう?

宮崎駿介護タクシー「若い方お乗せする機会結構あるんですけど、かなり良くなると思いますよ」

ホントかよ!
口から出任せじゃないの?一般論として、若い人はどんどん回復するというだけで、テキトーに励ましてるだけじゃないか?出来ればものすごく悪化した人が見る見るうちに良くなった話をして欲しい…。
そんな憂うつな気持ちになりました。
母と駿と地元トークで盛り上がってましたが、バンバン電話掛かってきました。転職組って聞きましたが、前職はどんな仕事だったんだろう?
かなり忙しそうだけど、結構儲かるんじゃないか?
おっ、厚木インター降りました。七沢病院はもうすぐです。いかにも美味しくなさそうなチェーンのラーメン店を降りて、一路七沢病院へ向かいます。
見学に行った伯母から「たぶん寂しくなると思う」と言ってましたが、不安は募るばかりです。
何故か奥深い森の中の、精神病院にあるイメージでした。
リハビリの先生から七沢病院に行くと言うと、

リハビリの先生「七沢はいいところだよ~、山以外何もなくて」

どんだけ田舎なんだ?
取り繕うように「ベテランの先生多いし」と言ってましたが、焼け石に水です。
ベテランの先生って言うけど、髭を生やした仙人みたいな先生だったら嫌だな。ひとたび手を触れると、
「ぬおお!見えるぞ、見えるぞ!あと3ヶ月で回復するぞよ!」


…そんな馬鹿な…。

宮崎駿介護タクシー「間もなくですよ」
辺りを見渡すと、すごく綺麗な病院が!
ここがいい!それよりむしろ、ここでいい!
忍者屋敷みたいなところに入りました。
ここじゃないんだ……。
宮崎駿介護タクシー「はい、着きましたー」


午前10時 到着 

 

いつの間に!?

七沢病院、ちょっと古いな…。

ベテランそうな看護師さんが出迎えてくれました。
「お帰りなさい」
「ようこそいらっしゃいました!」
「明日からよろしくね♪」
「明日から一緒に頑張ろうね♪」
と嵐のような祝福を受けるかと思いきや、一人だけ。「ちょっと待っててくださいね」と言われ、完全に放置。
入り口を入ると、(すごくローカルですが)旧久慈病院みたいでした。
つまり、とてつもなくロいです。そろばんで会計していた時代を彷彿させました。

介護タクシーが精算してくれます。高速道路を使って約1時間半。金額が気になりました。
宮崎駿介護タクシー「じゃ、頑張ってね!」固い握手を交わし、立ち去りました。今からスケジュールはパンパンです。「いやぁ、大忙しですよ」と苦笑してましたが、ボロい商売考えたもんです。母、仕事始めないかな?

おしっこに行きたくなりました。
当然尿瓶だと思いましたが、どうやらトイレに行くようです。たまたま現れた事務職風男子に
ベテラン看護師「君いい?」とオーダー。この人は何者?
トイレに案内されましたが、何せおしっこは初体験。お通じなら「う~ん、じゃ、いっちょやってみるか!」と清水の高台から飛び降りる意識でしたが、おしっこは初めて。これまで全て尿瓶でした。
緊張のあまり、出ません。事務職風男子に言うと「あらそうなの」と苦笑い。
とりあえずエレベータに移動します。
エレベータの移動中簡単に館内の説明を受けましたが、よく覚えていません。
病室に案内されました。
古い…
パラマウント~♪」的なボタン式のベッドも皆無。全てボタン式です。
人気ありすぎて、ベッド代わりと思いきや、それもなし。
これから、どうやって暮らしていこうか……。
と絶望的な気持ちになりました。
事務職風男子が部屋の様子についてあれこれ聞いてきました。
事務職風男子「まず目標を聞かせてもらえますか」
相馬「安全マンを観ることです!!」と答えます。後述しますが、拙作『それゆけ安全マン!?』が上演されることが決まり、それだけが張り合いでした。
事務職風男子、キョトンとしています。
あ、目標か…。
すかさず劇作家であること、今後公演の予定があることを答えます。目標は「身の回りのことが出来るようになる」。何とも志が低い…。
一応血圧を測ります。緊張し過ぎたのか、140オーバー。左手では120台で、ホッとします。
そして体重測定。

まさかの、3キロ増えてました。どうして!?一般の食事なのに!
客観的に見ると、十分肥満児です。

 

午前11時 面談


噂を聞きつけ(?)、主治医が登場。某劇団主催者に似ています。

主治医 脳出血の原因の95%が高血圧ですので、1日1600キロカロリーの制限食、塩分7グラム未満の制限食をお願いしています。たまにおにぎりとか買ってきちゃう患者さんいるんですけど、それはお控えください。

制 限 食……。

大久保病院ではちょっと気に入った看護師さんに「食事制限無いし、凪ラーメンとか中本とかイケんじゃね?」と言われていたのに、全てが脆く崩れ去りました。そんな無責任な…。
母に「ラーメン食べたと言わなくて良かったね」と耳打ちしましたが、全く聞く耳持ちません。

ガーン……。

主治医が立ち去ると、無情にも検査の嵐です。
レントゲン、心電図。検査技師さんが 物腰柔らかくてホッとします。さすが脳疾患専門病院のことはあります!
病室から戻ると、事務職風男子が何を思ったのか、
事務職風男子 (超小声で)まずブレーキ。を●●度の位置に止める。それからブレーキ。

 

ん??

 

 

事務職風男子 それから●●●を●●して、●●●を●●●すれば終わり。はい、ブレーキ。自立の第一歩ですから、覚えてください。 そしてブレーキ。

 

突如レクチャーを始めたのです!


しかも超早口で何を言っているのかさっぱり分かりません。「自立の第一歩」と言うだけあって、超重要みたいですが、とりあえずブレーキをすることだけ分かりました。
私が不安そうにしているのを見て、

事務職風男子「脚本家さんなんだぁ。スゴいね」

和ませようとしました。スゴいって、どんだけスゴいか分かってる?一応、座高円寺2上演だよ?(としれっと宣伝)
事務職風男子が去ると、受持ち欄の名前が!
受持ちなのか……。
びっちり監視して、二人三脚で、手取り足取り面倒を見るイメージです。
正直重荷だなと感じました。

 

12時夕食

 

採血は明日ということで解放されました。いよいよランチです♪
無理に♪を入れましたが、全く気が進みません。
食事は食堂で食べます。ちょうど時間が空いていたのか、誰もいませんでした。
今日のメニューは、きゅうりと穴子の和え物、大根の漬け物、焼き魚。
以上。

 

侘しい・・・。

 

 

今後徐々にグレードアップしていきますが、刑務所の食事を連想しました。

それにしてもなぜ病院の食事は質素なんでしょう?
「これぐらい許してやろう」くらいにレベル下げてる?

この日はリハビリはお休み。あすから実施予定の担当者の名前を見ると、ごくごく平凡な命名です。
さっぱり分からん・・・
超ローテンションで部屋を待っていると、ある男性が登場。


「どうも~、今日から担当になりました、作業療法士の●●●です!」
まず、作業療法士がどんな仕事をするのか分かりません。そしてやたら声が大きいです。病院中に聞こえるんじゃないかと思うくらいの声の大きさです。メガネのサングラスをしていて(たぶん)、サーファー風男子を想像しました。

 

 

 


これから度々登場するので、仮に「中堅作業療法士」と呼ぶことにします。
中堅作業療法士 理学は足のリハビリ、作業は手のリハビリです。理学のさんは超ベテラン!俺も勉強させてもらってるし。

 

 

いつの間にかタメ口です。


しかし、ベテラン理学療法士は相当敬愛しているようです。

 

 

髭の生えた仙人じゃなくていいが…。

 

 

中堅作業療法士「目標ってある?」
目標も何も全く感覚がありません。左手はだらーんと伸びたままです。
黙って途方に暮れていると、
中堅作業療法士「例えば服を脱げるようになりたいとか」
脱げるの!?
中堅作業療法士「タイピング打てるようになりたいとか」
打てるの!!?それ!ぜひタイピング打ちたいです!!
中堅作業療法士「まあタイピングはすぐには良くならなくて…」
そうか…
中堅作業療法士「2、3ヶ月かかっちゃうと思うんだ」
3ヶ月かぁ…、でも頑張る!死ぬ気で頑張る!中堅作業療法士さん、付いていきます!!
クールにタッチタイピングする光景を思い浮かべ、少しは希望を持てました。

 

 

 

 

そんなわけでおしっこに行きたくなりました。ナースボタンをON。
すると、オラウータン似のおばちゃんが現れ、
まずブレーキがかかってない。
左手はそこじゃない
次は右手を●●
それから、●●●を●●●する
次に●●●。
違う!●●●だってば!
!そう、●●●をする。そして●●を、●●●!

 

 

 

何者?と思いました。


次から次へと超早口で指示を送ってくるのです。もう火炎砲車です。
「ああっ、うるさい!」と思っていると、オラウータン似のオバチャンはこう言いました。

 


「疲れたなら疲れたと言って欲しい。疲れたと言うあなたでいて欲しい。

 

 

告白か?(後から分かったことですが、オラウータン似のオバチャンは看護師さんでした)

 

18時 夕食


Facebookで七沢病院のボロさを投稿していると、看護助手さんから食事に呼ばれました。デイルームと言う名の食堂です。
既にネームプレートが貼ってあり、女性陣に案内されました。老人ホームみたいで年寄りくさいです。
今日の献立は焼き魚でした。さすが制限食。
妙齢の女性が近くのネームプレートを見るや、


妙齢の女性「山口(※本名)さん?」
相馬「はい…」
妙齢の女性「●●●(※名前)です(と会釈)」
相馬「(も会釈)」
妙齢の女性「多いでしょ、女性。」
相馬「はい…」
妙齢の女性「ババアばっか」
相馬「(苦笑)」

 

 

 

「何てシュールなんだ」と思いました。
 焼き魚に食が進みません。このまま一生同じ食事かと思うと、憂鬱になりました。
今日太っちゃったし、ご飯半分残します。
食事を追えて、続々と患者さまが歯磨きに向かわれました。端っこに若そうな患者さんが見えました。こんな人は奇跡的な回復を遂げて、泳がしてあげてる患者さんじゃないでしょうか。
眩しすぎます。

 

 

ハッッッ!!

 

 

 

看護師さん苛立ち始めました。
池の鯉みたいに薬を所望される患者様に対して、「待ってて!」「ちょっと待っててよ!!」
露骨に怒鳴ってます。
すぐさま要注意リストに入りました。
本来なら歯磨きに呼ばれるのですが、全然お声がかかりません。一人、また一人と消え、ついには二人だけになってしまいました。苛立ち看護師さんは依然苛立ってます。
マズい、歯磨きに行かねば…

そろそろと病院を後にします。でも車椅子が慣れていないため、壁に激突してしまいました。
苛立ち看護師「山口さんちょっと待ってて!!」
ハイ待ちます、ただちに待ちます。
じっと待ち続け、気づくと一人だけになっていました。既に閑古鳥が鳴いています。

19時 消灯 
なんとか歯磨きを終えると血圧タイムです。140以上の値が出ました。
いつも140以上だと「大丈夫だよ~、下は90だし~」とお花畑みたいなこと言ってましたが、問答無用で測り直しです。
150-101。
今度は100超えです。
看護師「高いですね・・・」
深刻そうに言い残して去っていきました。
え?そんなヤバいの?


忘れていましたが、七沢病院は正しくは「七沢リハビリテーション病院脳血管センター」と言います。
言わば、脳血管のプロ。
血圧がものすごーーーくシビアなのです。
こうして、血圧の長い戦いが幕を開けました。


不安は尽きませんが、難しいことを考えても仕方ありません。何より猛烈に寒いです。ペラペラの煎餅布団を被って寝ることにしました。
明日はいよいよリハビリが始まります。
お休みなさーい!


【続く】